クラシファイド広告サイト(マッチングサイト)とは、ユーザーがサイトに様々な広告を掲載する事で、ユーザー同士がサイトを通じて連絡を取り合い、情報やモノなどを直接やりとりする仕組みを持ったWebサイトのことです。
ユーザー投稿型のサイトで、ユーザー登録・ログイン・マイページ等の機能がついています。
欧米では 「クレイグズリスト」等のクラシファイドサイトが有名で、すでに生活の中に浸透しています。 ユーザー同士で活発な取引がされており、日用品から不動産まで、その対象は幅広いです。
日本でも「ジモティ」などの掲示板サイトを使う人が増えつつあります。特にネットリテラシーの高い人にとっては便利なツールです。
ユーザー同士が直接やりとりをするため、利用者の間でトラブルが起こるといった問題が日本ではクローズアップされがちです。でも本来は、生活を画期的に便利にしてくれる、大きな可能性を持った仕組みです。
osclass(オーエスクラス) は、この「クラシファイド広告サイト」を作るためのひな形のようなものです。フリーで利用できる、オープンソース(OSS)のWebシステムです。誰でも無料でダウンロードして使えます。
ブログを作るときに使うWordPressのようなものだと考えるとわかる方もいらっしゃるでしょうか。
オウンドメディアを持ちたい方にはとても嬉しいシステムだと言えます。
けれどこのOsclass、これを使えばノンプログラマでも簡単にマッチングサイトが作成できるのかといえば、残念ながらそうではありません。
原因のひとつは、日本語に完全に対応していないということです。日本語化も進みつつありますが、和訳が完全ではない部分が結構あります。
そして、表示部分にちょっとした修正を加えたい場合でも、箇所によってはPHP(Webのプログラミング言語)の知識が必要になるので、ここで再度、ハードルが上がってしいます。
また、osclassは、使う前にインストールなどの技術的な作業が必要なのもネックです。
WordPressの場合は、簡単にインストールできるサービスが、レンタルサーバー会社から出ており、インストールでつまづくことも減っています。
しかしosclassには、簡単インストールのサービスは無いようです(クラシファイドサイト簡単作成CMSはありますが、こちらについては後述します)。
インストール後も、こまごまと調整しなければならない部分が多く、下準備だけで結構な時間を食ってしまいます。日本で osclass をWordpressくらいの気軽さで導入するには、まだ壁があるというのが現状です。
実際にインストールして使ってみると、細かなバグが出てきます。これらのバグを直したいと思ったときに、ネット上に情報が少ないため、自力で試行錯誤するしかありません。
PHPの知識がないとカスタマイズは難しく、時間がかかります。
osclassの使い方に関する日本語の情報もなかなか探すことができません。
osclassをインストールした後の具体的な設定方法は、完全ではありませんが次の日本語サイトが参考になります。
osclass日本語フォーラムでは、osclassを使っている開発者同士が情報交換できるので、質問を投稿すれば回答がもらえる可能性があります。投稿無料です。
osclassの公式サイト上では、osclassを使って作成された世界中のサイト事例が見られます。osclass事例(showcase)ページ
その中に掲載されている日本語のサイトを紹介します。
習い事宣伝サイトです。全国の習い事教室が宣伝を投稿できます。生徒から直接教室へ連絡が送れます。デザインはosclassのテーマではなく、オリジナルです。
「サイトは早く立ち上げて、サイト運営やビジネスのほうに力を注ぎたい」
という方も多いでしょう。そんな方にお勧めしたいのが、SaaS型のクラウドサービスです。
2016年に本格リリースされた「シェアインフォ」は、URLなど3つの項目を入力するだけで、すぐにクラシファイドサイトが公開できるクラウドサービスで す。
登録も、メールアドレスとパスワードのみ。多くの個人情報を入力する必要があったり、後から営業の電話がかかってきたりといった心配もありません。
osclassの機能をかなりシンプルに使いやすく整理した上で、プログラミングの知識がなくても、だれでも簡単に、すぐにユーザー投稿型のサイトが公開できるようにしたサービスです。
管理画面から設定を変更できる箇所も多く、 掲示板サイト、マッチングサイト、不動産サイト、Q&Aサイトなど様々な活用が可能です。
なおかつ、有料プランも個人向けなら月額2,980円~と大変リーズナブル。日本で同様のクラウドCMSはありません。
十数万~百万円以上のパッケージシステムや、月額10万円を超えるSaaSサービスのほか、技術者であれば導入可能な安価の月額制ASPサービスはいくつか出ています。しかし無料で試せるほど気軽なものはないようです。
osclassでのサイト作成に取り掛かる前に、まず 「シェアインフォ」 の無料のお試しプランを試してみてはいかがでしょうか。
自分で作成する前のプロトタイプ代わりとしても使えますし、もちろんそのまま有料プランに契約してサイトを運営することもできます。
シェアインフォで提供されている機能に不足があれば、ビジネスプラン
SHARE info Biz に契約すれば機能追加を依頼することもできます。
「シェアインフォ」 でまずはサイトを作ってみるのが、一刻も早くアイデアを世に出して使ってもらう近道です。
osclassは無料でとても便利なシステムなのです。しかし、上述した通り日本語に対応していない部分があったり、プログラムに細かなバグ(不具合)があったり、サーバーに依存する不具合があったりします。
そのため、実際にサイト開設までこぎつけるとなると結構な工数がかかってしまいます。
ユーザー投稿型サイトは、作った後が本番です。 サービス開設後の「宣伝・広報」や「運営」のほうが、長く続く、労力を割くべき作業です。
最初のサイト作成の時間をいかに短くし、その分のコストをいかに多く運営に回せるかが、Webサービス成功の鍵です。
自身でプログラミングすることに意義がある場合を除いては、クラシファイド広告サイト作成にはCMSサービスを利用するのが、いま最短の選択肢であることは確かです。