
勤怠管理と給与計算を別のシステムで行っていると、勤務時間を表計算ソフトへ転記したり、給与計算システムへ入力し直したりする作業が発生します。
入力する回数が増えるほど、数字の間違いや確認漏れが起こりやすくなります。そこで役立つのが、勤怠データと給与計算システムの連携です。
この記事では、CSVやAPIを使った連携方法と、導入前に整理すべき項目をわかりやすく解説します。
勤怠データと給与計算の連携とは
勤怠データとは、始業時刻、終業時刻、休憩時間、勤務日などの記録です。給与計算システムは、この記録と時給、交通費、各種手当などを組み合わせて給与を計算します。
Coolwareのスポットワークマッチングシステムでは、QRコードや画面操作で出退勤を記録し、勤務実績の確認から支払いデータまでを同じ流れで管理できる構成を想定しています。
勤怠データを連携する3つの方法
CSVファイルで連携する
CSVは、表形式のデータを保存するファイルです。
勤怠システムからCSVを出力し、給与計算システムへ取り込みます。多くのシステムで利用しやすく、比較的導入しやすい方法です。
ただし、毎月の出力と取り込みは人が行います。ファイルの選び間違いや二重登録を防ぐ確認手順が必要です。
APIで自動連携する
APIとは、システム同士がデータを受け渡すための仕組みです。
確定した勤怠データを自動で給与計算システムへ送れます。勤務件数が多い場合や、複数店舗の勤怠をまとめる場合に向いています。
一方で、両方のシステムが対応している必要があります。通信エラーや重複登録が発生した場合の処理も決めておかなければなりません。
一体型・個別開発で連携する
勤怠管理と給与計算に必要なデータを、一つのシステム内で管理する方法です。
独自の承認手順や支払い方法に対応しやすい反面、開発する範囲が広いほど費用や保守の負担も増えます。既存の給与計算システムを残し、必要な部分だけ連携する方法もあります。
連携前に整理するデータ項目
最低限、次の項目をそろえます。
- ワーカーIDまたは従業員番号
- 勤務日と事業所
- 始業時刻と終業時刻
- 休憩時間
- 通常・時間外・休日・深夜の勤務時間
- 時給、日給、交通費、手当
- 勤怠の確認状態
- 修正前と修正後の記録
特に重要なのがIDです。勤怠側と給与側で同じ人を識別できなければ、正しく連携できません。
また、「勤務終了」「勤怠承認」「給与計算済み」「振込済み」は別の状態として管理します。状態を分けることで、未確認の勤怠が給与計算へ進むことを防ぎやすくなります。
勤怠確定から給与計算までの流れ
基本的な流れは次のとおりです。
- ワーカーが始業と終業を記録する
- 休憩時間や交通費を確認する
- 打刻漏れや勤務時間の違いを修正する
- 事業所または管理者が勤怠を承認する
- 確定データを給与計算システムへ送る
- 計算結果と勤怠データを確認する
- 給与明細の発行や振込処理を行う
スポットワークで注意したい点
スポットワークでは、勤務する日や事業所が毎回変わることがあります。同じ人が一日に複数の仕事をする場合も考えられます。
そのため、氏名だけではなく、ワーカーID、求人ID、事業所ID、勤務日を組み合わせて管理することが重要です。
また、QRコードを読み取れなかった場合や、予定より勤務が延びた場合の修正方法も必要です。元の記録を消すのではなく、修正内容、理由、申請者、承認者、修正日時を残すと確認しやすくなります。
厚生労働省は、使用者が労働日ごとの始業・終業時刻を確認して記録し、タイムカードやICカードなどの客観的な記録を基礎に管理することを原則としています。
給与計算では、時間外、休日、深夜の勤務時間なども適切に扱う必要があります。また、賃金には毎月1回以上、一定の期日に支払うといった原則があります。
実際の計算ルールは、雇用契約、就業規則、勤務形態によって変わります。社会保険労務士や弁護士に確認したうえで設定してください。
システム連携を成功させるポイント
最初からすべてを自動化する必要はありません。
勤務件数が少ない段階ではCSV連携を使い、件数が増えてからAPI連携へ移行する方法もあります。まずは勤怠の承認手順とデータ項目を統一することが大切です。
連携後は、未承認データ、重複データ、異常に長い勤務時間などを検出できる仕組みも用意します。誰がいつデータを変更したかを記録する機能も必要です。
Coolwareのスポットワークシステム
Coolwareでは、募集、採用、出退勤、勤務実績の確認、支払いデータの管理までをまとめたスポットワークマッチングシステムを提供しています。
既存の給与計算システムを利用する場合は、CSV出力やAPI連携など、運用に合った方法を検討できます。
必要な開発費用や月額費用は、連携先の仕様、即時払いの有無、スマートフォンアプリの有無、利用する事業所数などによって変わります。現在の業務手順と使用中のシステムを整理したうえで、必要な機能を決めることが重要です。
FAQ
Q1. 給与計算システムを入れ替えなくても連携できますか?
既存システムにCSV取り込み機能があれば、入れ替えずに連携できる場合があります。API連携の可否は、利用中のシステムの仕様確認が必要です。
Q2. CSV連携とAPI連携はどちらがよいですか?
勤務件数が少なく、月に一度の処理で足りる場合はCSVが向いています。件数が多い場合や、入力作業を減らしたい場合はAPIを検討します。
Q3. QR打刻だけで給与を自動計算できますか?
QR打刻だけでは計算を確定できません。休憩、残業、交通費、手当、打刻修正などのルールと承認手順が必要です。
Q4. 勤怠を修正した場合はどう管理しますか?
修正前の記録を残し、修正理由、申請者、承認者、日時を保存します。給与計算へ送った後に修正した場合の再連携方法も決めておきます。
Q5. 即時払いにも対応できますか?
システム構成によっては対応できます。ただし、月締め給与とは別に、申請状態、振込状態、二重払いの防止などを管理する必要があります。振込サービスとの連携内容によって費用も変わります。




