
スポットワークシステムの開発を依頼するとき、最初に用意したい資料がRFPです。
RFPとは「提案依頼書」のことです。開発会社に目的、必要な機能、予算、希望時期などを伝えます。
内容が整理されていると、各社の提案を同じ条件で比べやすくなります。本記事では、スポットワーク特有の業務を踏まえ、RFPに書くべき項目をわかりやすく解説します。
RFPで重要なのは、作りたい画面を並べることだけではありません。
なぜ導入するのか、誰が使うのか、どの業務を変えたいのかを先に示します。
たとえば「求人を掲載できること」だけでは、先着採用か選考採用か、複数店舗で使うか、誰が公開を承認するかが分かりません。背景や運用ルールまで書くことで、開発会社は現場に合った提案をしやすくなります。
デジタル庁のガイドラインでも、調達の背景、目的、実現したい内容、要件、期間、制約などを、事業者が正確に理解できる形でまとめる考え方が示されています。
まず、現在の課題を書きます。
「欠員対応を電話で行っている」「勤怠と支払いの転記が多い」「勤務経験者へ再度依頼しにくい」など、実際の業務に沿って整理します。
次に、導入後に目指す状態を示します。成果を測る場合は、応募確定までの時間、手作業の件数、利用拠点数など、確認できる数字を使います。
効果を断定するのではなく、導入時の目標として記載しましょう。
スポットワークシステムは、主に次の3者が利用します。
自社の従業員や登録者だけで使うのか、複数企業が参加するサービスにするのかによっても、必要な仕組みは変わります。
RFPには、利用者の種類、想定人数、拠点数、利用端末、対応地域、対象業種を書きます。スマートフォンアプリが必要か、Webだけで始めるかも明記します。
Coolwareのスポットワークシステムも、ワーカー向け、求人掲載、全体管理の3つを連携させる構成を基本としています。
募集から支払いまでの流れを、順番に整理します。
代表的な流れは、会員登録、本人確認、求人作成、公開、応募、採用、出退勤、勤務実績の確認、報酬確定、支払いです。
通常の流れだけでなく、次のような例外も書きます。
それぞれについて、誰が判断し、誰へ通知するのかまで決めると、見積もりの前提をそろえやすくなります。
機能は、利用者ごとに分けて整理します。
ワーカー向けには、会員登録、求人検索、応募、出退勤、勤務履歴、報酬確認などがあります。
事業所向けには、求人作成、応募者管理、採否、勤怠承認などがあります。運営者向けには、ワーカー、事業所、求人、勤務、報酬データなどの管理があります。
すべてを最初から開発する必要はありません。機能を次の3段階に分けます。
初期版と追加開発の境界が分かり、予算に合わせた提案を受けやすくなります。
応募、採否、勤務前、承認依頼など、通知が必要な場面と送信方法を書きます。
メール、SMS、アプリのプッシュ通知では、それぞれ開発内容や外部利用料が異なります。
給与計算、会計、振込、本人確認などの外部サービスと連携する場合は、次の情報も必要です。
現在のワーカー情報や勤務履歴を移す場合は、データの形式、件数、移行する範囲も記載します。
非機能要件とは、画面には見えにくいシステムの品質に関する条件です。
利用可能な時間、表示速度、同時利用者数、バックアップ、障害からの復旧、操作記録、権限管理、対応端末などを書きます。
スポットワークシステムでは、氏名、連絡先、本人確認書類、口座情報などを扱う場合があります。そのため、次の項目も重要です。
個人情報保護委員会のガイドラインでは、個人データを外部へ委託する場合、適切な委託先の選定、契約の締結、取扱状況の把握などが求められています。
雇用主は誰か、労働条件をいつ示すか、勤怠を誰が承認するか、賃金を誰が支払うかを整理します。
キャンセル、休業、残業、税務書類、勤怠記録の保存などもシステムの運用と関係します。
厚生労働省は、スポットワークを短時間・単発の雇用契約による働き方として、労働者向けと使用者向けの留意事項を公表しています。
制度や契約形態によって判断が変わるため、RFPには「専門家と確認する項目」を残しておきましょう。運用開始前には、社会保険労務士や弁護士への確認をおすすめします。
希望する開始時期、試験運用を行う拠点、社内の担当者、会議の頻度などを書きます。
受入テストの方法も必要です。受入テストとは、完成したシステムが求めた条件を満たしているか、発注側が確認する作業です。
納品してほしい資料やデータも明記します。
本稼働後の保守時間、問い合わせ窓口、障害対応、追加開発の進め方も確認します。
提案会社には、実現方法、対象範囲、対象外となる作業、開発体制、スケジュール、類似システムの開発経験などを示してもらいます。
見積書は、次の費用を分けてもらうと比較しやすくなります。
即時払い、スマートフォンアプリ、SMS、本人確認、振込や給与システムとの連携などの有無で、開発費用と月額費用は変わります。
基本構成とオプションを分けた見積もりを依頼しましょう。
良いRFPは、完成した仕様書ではありません。
現在の業務、導入目的、必要な範囲、開発会社に判断してほしい点が伝わる資料です。まだ決まっていない部分は隠さず、「提案を求める項目」として書きます。
Coolwareでは、ワーカー向け、求人事業所向け、全体管理の仕組みを土台に、業種や運用に合わせたスポットワークシステムを設計しています。用途や仕様が固まっていない段階から、導入範囲を相談できます。
※掲載する料金、機能、開発期間、法律、制度については、記事の公開日時点で最新情報をご確認ください。
いいえ。決まっている項目と、開発会社から提案してほしい項目を分けて書けば問題ありません。
業務の目的や必須条件は発注側で整理し、技術的な実現方法や適した構成は提案を求める方法があります。
大まかな相談はできますが、正式な比較には情報が不足しやすくなります。
画面だけでなく、利用者、操作できる権限、業務の流れ、通知、外部連携、データ量なども記載しましょう。
必須とは限りません。
Web版で試験運用してからアプリを追加する方法もあります。即時払いも、利用する振込サービスや運用方法によって必要な開発が変わります。
RFPでは、基本構成と追加オプションを分けた提案を依頼すると比較しやすくなります。
雇用主、勤怠承認者、賃金の支払者、個人情報の管理者など、システム設計に関係する役割は記載します。
ただし、法的な判断を開発会社だけに任せるのではなく、社会保険労務士や弁護士にも確認することをおすすめします。