Laravel開発者のためのLLM活用ガイド：主要パッケージとその特徴

LarabelからLLM（生成AI）を利用する方法を調べたのでまとめておきたいと思います。

近年、ChatGPTやClaudeなどの大規模言語モデル（LLM：Large Language Model）が注目されています。これらのモデルは、自然言語でのやりとりを通じて、質問応答やテキスト生成などを行うことができます。LangChain などPythonを利用する仕組みが多くなっていますが、PHPを利用しているLaravelでWebシステムを開発している方にとっても、LLMを組み込むことで新たな機能やサービスを実現できます。

本記事では、LaravelとLLMの統合を支援する主要なパッケージを紹介し、それぞれの特徴や導入方法を解説します。

OpenAI PHP for Laravel（openai-php/laravel）

「openai-php/laravel」は、Laravel向けに設計されたOpenAIのAPIクライアントです。Laravelのファサードを利用して、OpenAIのAPIとシームレスに連携できます。ちなみに、openai-php/clientを利用すればPHPから直接Open-AIのAPIにアクセスできます。

特徴

• 簡単なインストール：Composerでインストールし、artisanコマンドで設定ファイルを公開するだけで導入可能です。
• 環境変数による設定：APIキーやタイムアウトなどの設定を.envファイルで管理できます。
• テストサポート：APIレスポンスをフェイクする機能があり、開発・テスト環境での利用に適しています。

LangChain-Laravel

「LangChain-Laravel」は、複数のAIプロバイダー（OpenAI、Claude、Llama、DeepSeekなど）を統合し、テキスト生成、翻訳、コード解析などの高度な機能を提供するLaravelパッケージです。

特徴

• マルチプロバイダー対応：複数のAIモデルを統一されたインターフェースで利用可能です。
• 高度なAI機能：テキスト生成、翻訳、コード解析、要約、数学的推論などに対応しています。
• 開発者向けの柔軟性：動的なプロバイダー切り替え、カスタムプロバイダーの登録、モデルのエイリアス設定、フォールバック戦略などが可能です。
• プロダクション対応：環境変数による設定、API使用状況とコストの監視、エラーハンドリングとログ記録、レスポンスのキャッシュ、包括的なテストスイートなどを備えています。

LLPhant

「LLPhant」は、LaravelおよびSymfonyと互換性があり、OpenAI、Anthropic、Mistral、OllamaなどのLLMをサポートする包括的なPHP向け生成AIフレームワークです。チャットボットや文書要約など、多用途に活用できます。

Laravel × LLM の活用例

LaravelとLLMを組み合わせることで、以下のようなユースケースが考えられます：

• チャットボットの構築：FAQやサポート業務を自動化
• 文章生成支援：ブログ記事の草案や製品紹介文の自動作成
• フォーム入力の補助：ユーザーが情報を入力する際に補助的な候補を提示
• コードレビュー支援：開発中のコードをLLMにチェックさせて品質向上を図る

ローカルLLMとの接続

先日書き始めたブログ記事「ローカルLLM(自分専用生成AI)はいかが？」のシリーズのどこかで、「ローカルLLM＋Larabelで社内RAGシステム」のような調査、試作をしてブログ記事を書きたいなと考えています。

Coolwareの支援について

Coolware（京都・精華町）は、大学や研究機関向けのシステム開発実績を多数持ち、Laravelを用いたWebシステムの構築や、LLM統合のプロトタイピング支援も可能です。

「LLMを業務に取り入れたいが、どう進めたらよいかわからない」とお悩みの方は、ぜひCoolwareまでご相談ください。研究的な検証から、商用システムへの実装まで柔軟に対応いたします。