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WalletやApple Payって何?仕組みや使い方をわかりやすく解説!

読者の皆様こんにちは。皆様キャッシュレス決済ってどの程度利用されていますか?最近はテレビCMでも”VISAでタ〜〜ッチ!!”とか言ってますよね。これは私の主観が混じっている部分もありますが、当ブログの読者のような、開発者の方々や先端の技術に対して常にアンテナを張っている方でも意外とスマホでiPhoneのキャッシュレス決済を使いこなしている人は少ないように思います。そこで今回は”WalletやApple Payがどんなもので何に使えるか”といったお話をしていこうと思います。

それで入ってみましょう。

キャッシュレスって一言にいうけど種類が多いんじゃ!!

まぁ当然っちゃ当然なんですが、当社は日本の会社なので日本で発行されるクレジットカードの情報をベースに話を進めていこうと思います。ざっくりiPhoneでキャッシュレス決済を使おうとすると大きく3つの種類があると思います。1つ目はQRコード決済。まぁPayPayといえばこのブログの読者の方には伝わるかと思いますが、QRコードの読み込みを利用した決済方法のことです。事前にアカウントにチャージを行っておき、支払い時には自身の端末に表示されたQRコードをお店の人に読み込んでもらったり、お店のQRを自身のスマートフォンのカメラで読み込んで決済を行います。2つ目はICカード。交通系ICカードと電子マネーの2種類に分けられ、具体的にはSuica, PASMO, ICOCA, WAON, nanacoの5種類です。これらについては従来からあるプラスチックカードの動作をそのままスマホ上で再現しているという状態です。3つめはクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードです。

この3種類のうち、1つ目と2つ目については割と簡単に順応できるような内容(もちろん導入のハードルが高い方もいると思いますよ!!)だと思うのですが、3つ目が曲者です。ではこの3つ目についてクローズアップしていきます。

まずはややこしい言葉の説明から

まずは言葉の説明からです。

まずは今回使う必須アプリ。ウォレットです。まぁそのままなんですが”財布”を英語に直訳すると”Wallet”すなわち”ウォレット”になります。読んで字の如く、お財布として使うアプリです。この中に支払いに使うクレジットカードやデビットカードを入れておきます。”スマホにクレジットカードを入れる”というと”セキュリティが〜”とおっしゃる方がいますが、心配は無用です。もちろん何事にも絶対はありませんが、言い出すとキリがないので…。このWalletに追加するカードの情報はSecurity Enclaveという通常のiPhoneのストレージ(写真やゲームなどを保存している場所)とは異なるチップ上で管理されます。このチップにはアプリ開発者であってもアクセスできません。したがって非常に安全です。

で次に出てくる言葉が”Apple Pay”ですね。この辺からだんだんとややこしく感じている人も多いかもしれません。Apple Payはクレジットカードやデビットカード、その他のICカードをiPhone上で機能させるためのプラットフォームの名称です。つまるところ、”手元にある決済手段のカードをiPhoneで動作させるための機能”の名前なんです。したがって厳密にはApple Payと伝えるだけでは決済方法が伝わらないことになります。

VISAでタ〜〜ッチ!!…できないやん…

ここからはクレジットカードを使用する場合に限って話をしていきます。(デビットやプリペイドはクレジットに比べ利用者が少ないため割愛しますが基本的には同じです。) 前提として、ウォレット内の+ボタンを押すとクレジットカードをウォレットに追加することができますが、すべてのクレジットカードを登録できるわけではありません。クレジットカードの発行元がなんらかの形でApple Payに対応していないと登録ができないのです。

続いて、ウォレットにクレジットカードの登録をできた場合のお話ですが、登録したクレジットカードで支払いを行う際に支払い方法が主に2種類に存在します。1つはQuickPayiDを用いた支払い方法(以後①)です。2つ目はクレジットカードの国際ブランドごとのタッチ決済(以後②)です。

少し技術的な話になりますが、1つ目のQuickPayやiDはNFC Type F(通称Felica)という原則日本独自規格の無線通信を用いた決済方法になります。それに対してクレジットカードの国際ブランドごとのタッチ決済はNFC Type AおよびNFC Type Bという世界共通の無線通信規格を使用しています。日本に従来からある交通系ICや商業系IC(WAON, nanaco, Edy etc…)はすべてNFC Type F(通称Felica)を使用しています。感の良い方はここまででお気づきかもしれませんが、つまるところ①は日本国内専用の支払い方法なのです。

ここからがさらに曲者でして、ウォレットにクレジットカードを登録できたとしてもすべてのカードが①,②両方の支払い方法に対応しているわけではないのです。”②には対応しているが①には対応していない”というケースはあまりみたことがありませんが”①のみにしか対応していなくて②は使えない”というケースはたくさんあります。この”①のみにしか対応していなくて②は使えない”ケースのクレジットカードを登録した場合、”VISAでタ〜〜ッチ!!…できないやん…”という結果になってしまいます(もちろん登録しようとしているクレジットカードがVISAブランドなのは当然ですが)。

それって困ることある??

日本で生活している場合支払いの際に”Apple Payでっ”と伝えるとなんか決済できちゃうことが多いのであまり困りませんが、海外旅行や海外出張に行かれる方には注意が必要です。 “①のみにしか対応していなくて②は使えない”の場合は当然iPhone内のそのカードでのキャッシュレス決済は国内でしか利用できないため、海外で”私のクレジットカードなんで海外だとiPhoneで使えないの??”となってしまうわけです。また一部のクレジットカードでは同じiPhoneからの支払いでも①を利用するか②を利用するかでポイントのつき方が異なるケースがあるので把握は必要です。

なんか簡単に見分ける方法はないんかい?

ここまで長々と書いてきましたが、実際自分の登録しているクレジットカードがどっちのパターンかがわからないと、どうしようもないと思います。心配ご無用。見分け方は割と簡単です。ウォレットを開き、自身が確認したいクレジットカードをタッチします。

まずは①に対応しているかの確認方法です。

サンプルとして3つのカードの画面を表示しています(画像は画面の切り抜きです)。左のカードには黄色いiDのロゴが、真ん中のカードには青いQuickPayのロゴが、そして右のカードにはわかりづらいですが黒いQuickPayのロゴがついています(それぞれ画像赤枠内)。つまりこれらのカードはすべて①の支払い方法に対応している状態になります。

次に②に対応しているかどうかです。

先ほどと同じ3枚を見比べます。左のカードと右のにはWi-Fiのようなマーク(名称はリップルマーク、画像赤枠内)が付いていますが、真ん中のカードにはありません。このリップルマークが②の利用可否を表しています。したがって、この3枚をウォレットに追加していて海外でiPhoneを用いたキャッシュレス決済を行おうとした場合、真ん中のカードでは決済することができません。また日本発行のクレジットカードのうちウォレットへの登録が可能で国際ブランドのコンタクトレス決済が利用可能なように整備されているのは、VISA(VISA Contactless), Mastercard(Mastercard® Contactless), JCB(JCB Contactless), American Express(American Express Contactless)の4つのみになるためそれ以外の国際ブランドのカードでは残念ながらウォレットからの②のタッチ決済は行えません。

最後に

今回は普段の技術ブログというよりかは少しクレジットカードの記事っぽくなってしまいましたが、概ねこれらの情報があればiPhoneのウォレットやApple Payを使いこなすことができます。当然ですが従来通り、店舗によって対応している国際ブランドが異なっていたり、そもそもタッチ決済に対応していないこともあります。これを機に一度あなたのウォレットとお財布の中を整理してみてはいかがでしょうか?

番外編

今回は当ブログの方向性もありiPhoneの上でのお話をしましたが、カードによってはウォレット上では②に対応していないものの、お手元のカードを使えば②と同じタッチ決済ができるケースがありますので、そちらも確認してみるといいかもしれません。