2025年1月、埼玉県八潮市で発生した大規模な道路陥没事故は、インフラの老朽化がもたらすリスクを私たちに強く印象づけました。
この事故によりトラックドライバーの方が安否不明となっているだけでなく、道路の通行ができなくなり、約120万人もの人々が下水の利用を制限されるなど、経済活動や住民の生活にも広範囲に深刻な影響を与えています。
道路や下水管などのインフラは、適切なメンテナンスが行われないと、本当に突然、大きな問題に発展する可能性があり、その解決には多大な時間と費用がかかるという事実を、この事故は私たちに突きつけました。
実は、企業のホームページも同様に、いわば「デジタルインフラ」として機能しています。ホームページは企業と顧客をつなぐ重要な架け橋であり、情報発信や問い合わせ、受注窓口などの役割を担っています。
しかし、ホームページも作った後にメンテナンスをしないまま放置してしまうと、ある日突然深刻な事態が起こるリスクが潜んでいるのです。
1. ホームページの老朽化がもたらす具体的なリスク
1-1. セキュリティリスクの増大
- 古いソフトウェアやプラグインの脆弱性(ぜいじゃくせい)
ホームページを構成するシステムやプラグインは、時間の経過とともにセキュリティホール(脆弱性=システム内の攻撃されやすい弱点のこと)が発見されることがあります。対策が取られていない古いバージョンのまま運用すると、ハッカーによる不正アクセスや改ざん、ウイルス感染のリスクが高まります。
1-2. 表示や動作の不具合
- 最新デバイスやブラウザへの非対応
ホームページが数年前の状態のままだと、新しいパソコンやスマートフォン、最新ブラウザで正しく表示されず、ユーザー体験が損なわれることがあります。たとえば、ボタンが反応しなかったり、レイアウトが崩れて表示されたりすると、訪問者の信頼が低下します。
1-3. SEO評価の低下
- 検索エンジンからの評価が下がる
Googleなどの検索エンジンは、最新のセキュリティ対策やユーザーエクスペリエンスを重視しています。定期的にシステムの更新や改善が行われていないホームページは、評価が下がり、検索結果の上位に表示されにくくなります。
1-4. 個人情報流出のリスク
- 問い合わせフォームや会員登録情報の漏洩
個人情報を扱うサイトでは、古いシステムの脆弱性が攻撃者に利用され、情報が流出する可能性があります。一度情報漏洩が発生すると、企業の信頼回復は容易ではなく、法的な問題に発展することもあります。
2. ホームページを安全かつ最新に保つための対策
2-1. 定期的なメンテナンスの実施
ホームページは「作って終わり」ではなく、「運用していく中で随時アップデート」することが大切です。一般的に、3〜5年ごとにシステムの見直しやデザインのリニューアルが必要とされます。
- セキュリティパッチの適用
ソフトウェアやプラグインのアップデートを怠らず、常に最新の状態に保つことで、脆弱性のリスクを最小限に抑えます。
- レスポンシブデザインの導入
新しいデバイスやブラウザに合わせたデザインの見直しを行い、訪問者にストレスのない操作環境を提供します。
2-2. 保守契約の活用
制作会社やシステムベンダーとの保守契約を結ぶことで、日常的なメンテナンスやトラブル発生時の迅速な対応が可能となります。
- プロによる定期点検
専門の技術者が定期的にサイトの状態をチェックし、問題が発見されれば即座に対策を講じます。
- 予防投資としての保守契約
毎月の保守費用をもったいないと感じるかもしれません。しかし一度大きなトラブルが起こった際の修復費用や、企業イメージの損失、損害賠償などが発生した場合と比べれば、長期的に見れば十分に効果的な投資と言えるでしょう。
3. ホームページは作ってからが本当のスタート
道路や下水管などの物理的インフラも老朽化によって大事故に繋がるのと同様に、ホームページも放置すればセキュリティリスクや表示の不具合、SEO評価の低下など、さまざまな問題が発生します。
ホームページは企業と顧客をつなぐ重要な「デジタルインフラ」であるため、「作ったら終わり」ではなく、公開してからが本当のスタートです。
定期的なアップデートや保守契約の活用により、常に最新の状態を維持し、安全で快適なサイト運用を実現しましょう。
株式会社Coolwareでは、WEBセキュリティ診断+対応サービスを承っております。他社様で制作されたシステムについても、ぜひご相談ください。