日本語
けいはんな学研都市のソフトウエア開発・Webシステム
株式会社Coolware
(けいはんな学研都市)

AI対策（LLM対策）の時代にSEO対策は不要になるの？

ブログ

はじめに

2025年、Webマーケティングの世界では「SEO対策はもう古い」「これからはAI対策」といった声が増えています。ChatGPTやGemini、Claudeといった大規模言語モデル（LLM：Large Language Model）の台頭により、これまで主流だった検索エンジン最適化（SEO）は“不要”になるのでしょうか。

基本的なSEO（検索エンジン対策）と「E-A-T」「E-E-A-T」の考え方、そして新たに求められるLLM対策のポイントを解説します。

1. SEO対策は不要になる？

結論から言うと、SEO対策は依然として必要です。なぜなら、Googleなどの検索エンジンは今もなお、タイトルタグやメタディスクリプション、内部リンク構造、サイト速度などの要素をランキングに反映させています。これらを無視すると、そもそも検索結果に表示されず、コンテンツを読者に届けることすらできません。

  • タイトルタグ：ページのテーマを表す重要指標
  • メタディスクリプション：検索結果でクリックを誘導する要素
  • 内部リンク：関連ページ同士を繋ぐナビゲーション
  • サイト速度：ページ表示スピードはユーザー体験に直結

これらは「基礎中の基礎」であり、SEO対策の“土台”と言えるでしょう。

2. E-A-T と E-E-A-T とは？

Googleが品質評価ガイドラインで重視する指標に、

  • E-A-T（Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness）
  • E-E-A-T（Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness）

があります。以下、簡単に説明します。

  1. Experience（経験）：実際にサービスや商品を使ったレビューや体験談
  2. Expertise（専門性）：その分野の専門家による執筆や監修
  3. Authoritativeness（権威性）：業界団体認定やメディア掲載歴などの客観的証拠
  4. Trustworthiness（信頼性）：プライバシーポリシーやお問い合わせ窓口の明示

E-E-A-Tでは、特に「Experience（経験）」を加えることで、ユーザー視点に立ったリアルな情報発信が求められます。自社サービスを実際に使ってみた感想や、現場での成功事例を盛り込むだけで、記事の信頼度が飛躍的に高まります。

3. LLM対策（AI対策）とは？

LLM対策とは、SEO対策と並行して「大規模言語モデルにコンテンツを正しく理解・評価してもらう施策」を指します。

主な施策

  1. 構造化データ（JSON-LD／Schema.org）の導入
    • FAQやHowTo、レビューなどを明示的にマークアップし、LLMに文脈を伝える
  2. プロンプトフレンドリーな見出し・リード文
    • 見出し（H1, H2…）を「質問形式」や「キーワード＋問いかけ」の形にする
  3. FAQセクションの設置
    • ユーザーが実際に尋ねそうな疑問をQ&A形式で網羅する
  4. ナレッジグラフ連携
    • 企業情報や製品スペックをナレッジグラフ対応で提供し、LLMの学習データに取り込まれやすくする
  5. 定期的な情報更新
    • LLMは新しさを好むため、記事の公開日・更新日を最新状態に保つ

これらは、LLMに対する“プロンプト”と同義であり、チャットボット経由でのアクセス増加や、AIアシスタントの回答候補として自社サイトが取り上げられる機会を増やします。

4. SEOとLLM対策のハイブリッド最適化

今後は、以下のようにSEO対策とLLM対策を組み合わせることで、検索エンジンとAIチャットボットの両方からトラフィックを獲得することが成功の鍵です。

対策種類主な施策効果
SEO対策タイトルタグ最適化、内部リンク、サイト速度向上検索ランキング上位表示
E-E-A-T強化体験談＋専門家監修、権威性証明ユーザー信頼度アップ、被リンク獲得
LLM対策構造化データ、プロンプトフレンドリーライティングAIチャット経由での流入、回答候補として選出

この表を参考に、自社サイトや社内ブログで取り組むべき優先順位を決めましょう。

5. 実践ポイント！

  1. 記事タイトルを“問いかけ型”に
    例：『なぜ□□は必要なの？』→AIにも「質問」として伝わりやすい
  2. FAQをまず3〜5問追加
    • 自分や同僚が実際に抱いた疑問をリストアップし、Q&Aにする
  3. 簡単なSchema.orgマークアップ
    • WordPressプラグイン（例：Yoast SEO）で自動設定も可能
  4. 体験レビューを1つ以上盛り込む
    • 新製品の使い勝手や操作手順を自分の言葉で記述する
  5. 月1回の定期チェック＆更新
    • 数値データやリンク切れがないかを確認
    • 更新日をアップデート

まとめ

  • SEO対策は不要にならない：基本的な要件を満たしたうえで、E-E-A-Tを意識した良質なコンテンツ作りが重要。
  • LLM対策とのハイブリッドがカギ：構造化データやプロンプトフレンドリーな記事設計で、AIチャットボット経由の流入を狙う。
  • 簡単な施策からスタート：質問型見出し・FAQ・体験談など、取り組みやすい項目をまず実践。

これからの時代は、検索エンジンと大規模言語モデルの両輪で情報発信力を高めることが求められます。ぜひ今から実践してみてください！

執筆者：Coolware・Webプランナー

ソフトウェア開発・IT導入はCoolwareへ
関連記事