1990年ごろのソフトウェア開発は、現在のようにスマートフォンやクラウド、AIが当たり前に使われる時代とは大きく異なり、手作業や工夫が求められるものでした。当時はまだ Windows 95が登場する前 の時代であり、一般的なオフィス環境では、ワープロソフトの一太郎などが広がり始めた時期でした。
本記事では、筆者が当時携わった ソフトウェア開発現場でのパソコンベースの開発 に関する個人的な(ほろ苦い?)体験をもとに、1990年ごろのソフトウェア開発の状況を振り返ります。
当時、現場で多く使用されていたパソコンは NEC製のPC-98シリーズ でした。これは、国内市場で非常に強いシェアを持ち、多くの企業が採用していたためです。OSは MS-DOS が主流で、後に IBMのOS/2 も一部の現場で使用しました。
パソコンだけでなく、以下のような先進的なワークステーションも使われていました:
これらの機器は、グラフィックス処理や高度なシミュレーションに活用されましたが、やや高価であり、特定の用途に限定されることが多かったです。
私の働いていた現場では、例えば、生産ラインで使用するロボットアームの動作制御や、溶接や溶断を自動制御する生産ラインでの制御を行なっていました。
このような現場では、限られたメモリ容量や処理速度の中で効率的なプログラムを作成する 必要がありました。そのため、開発者はハードウェアの制約を深く理解し、効率的なアルゴリズムを工夫することが求められました。
1990年代初頭は、技術の大きな過渡期でした。その後、1995年に Windows 95 が登場し、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を用いた操作が主流となり、開発環境も飛躍的に進化しました。
インターネットの登場で情報収集が格段に効率的になった点も大きな変化です。最近では生成AIがプログラミングをサポートしてくれるようになってきたのも、プログラム開発に大きな影響を与えています。
しかし、当時の開発経験は、現在のシステム開発においても共通部分が多く大いに役立っています。新しい技術は、それまでの技術とはまったく異なるものではなく、それまでの技術の上に積み上げられているイメージです。
1990年ごろのソフトウェア開発は、今では考えられないような ハードウェアの制約と効率化の追求 が求められる時代でした。MS-DOSやOS/2といった当時のOS、C/C++やFortranを駆使した開発の経験は、技術者の創意工夫や問題解決能力を鍛えるものでした。
筆者が経験した1990年代初頭の開発環境を振り返ると、現在の快適な開発環境がどれだけ技術の恩恵を受けているかを強く実感します。
もし、システム開発に課題をお持ちの方がいらっしゃいましたら、私たち Coolware にぜひご相談ください。長年培ってきた経験と技術力を基に、最適なソリューションをご提供いたします。