~秘密情報をしっかり守るための基本ルール~
企業や研究機関が持っている情報の中には、外部に漏れてしまうと大きな問題になるものがあります。例えば、新しい技術のアイデアや、これから発売する商品の設計図など、ライバル企業に知られると困る情報です。こうした情報が外部に流出すると、企業の利益が減ったり、競争力が落ちたりしてしまいます。
そこで今回は、京都府警のけいはんな経済安全保障センターの方から頂いた「モノプリ・ニュース/第75号」を基に、「技術流出を防ぐために最初にやるべきこと」 を、誰でもわかるようにシンプルに解説してみたいと思います。
技術流出を防ぐためには、次の3つのステップをしっかり行うことが大切です。
それぞれ詳しく見ていきましょう!
まずは、会社や研究所の中でどんな情報を持っているのかを把握することが大切です。
企業が持っている情報には、例えばこんなものがあります。
技術情報 → 新製品の設計図や研究データ、特許に関する情報
経営情報 → 会社の戦略やマーケティングのデータ
顧客情報 → 取引先のリストや契約内容
従業員情報 → 社員の給与データや人事評価
このように、会社にはさまざまな種類の情報があり、すべてが同じレベルで重要というわけではありません。
次に、どの情報がどれくらい重要なのかを評価します。例えば、次のような基準で考えると分かりやすいです。
・ライバル会社に知られたら困る?
・この情報が流出すると、会社にどれくらいのダメージがある?
・この情報は他の会社にはない、特別なもの?
こうした基準で考え、特に重要な情報を「秘密情報」として管理する必要があります。
次に、決めた秘密情報を分類します。情報の種類や重要度によって、管理の仕方を変えることがポイントです。
例えば、次のようなランク分けが考えられます。
ランク | どんな情報? | どんな管理が必要? |
---|---|---|
A(極秘情報) | 企業の存続に関わる超重要情報(新技術のデータ、未発表の特許情報など) | 厳重なアクセス制限、暗号化して保管 |
B(重要情報) | 競争力に影響する情報(開発中の製品データ、顧客リストなど) | 関係者のみ閲覧可、外部との共有禁止 |
C(社内限定情報) | 社内の業務に関わる情報(社内マニュアル、社内向け研修資料など) | 社員ならアクセスOK、外部流出NG |
D(一般公開情報) | 既に公開されている情報(商品カタログ、プレスリリースなど) | 特に制限なし、自由に閲覧OK |
こうやって分類すると、どの情報をどう扱うべきかが分かりやすくなります。
最後に、それぞれの情報を守るために、どんな対策を取るべきかを決めます。
例えば、次のような対策があります。
→ 大事な情報は、誰でも見られる状態にしない!
例:パスワード付きのフォルダに保存、限られた人しかアクセスできないようにする
→ もし情報が盗まれても、内容が読めないようにする!
例:重要なファイルは暗号化して保管、メールで送るときも暗号化する
→ 取引先や社員に「秘密を守る」契約を結んでもらう!
例:新しい取引先と仕事をするときに、情報漏えいしないように事前に契約する
→ 誰がどの情報を見たのか記録を残す!
例:社内システムで「いつ、誰が、どのファイルを開いたか」を記録
情報を守る意識を高める!
→ 例:定期的にセキュリティ研修を実施し、情報の取り扱いについて教育する
技術流出を防ぐためには、まず「どんな情報を持っているのか」を整理し、その中で特に重要な情報を決めることが大切です。その上で、情報を分類し、それぞれに合った管理方法を実施することで、流出リスクを最小限に抑えることができます。
企業や研究機関にとって、情報管理はとても大事な課題です。特に、技術や研究データを扱う企業では、しっかりとしたルールを作ることが求められます。
もし技術流出防止についての具体的な対策が必要な場合は、けいはんな経済安全保障センターに相談するのも一つの方法です。情報を守ることは、企業の未来を守ること。ぜひ積極的に取り組んでみてください!
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