プログラマーでなければ、「プログラムを書く」という作業は、抽象的でイメージしづらいかもしれません。この記事では、具体例を用いながら、プログラム開発の一部を分かりやすくご紹介します。
今回は、「数字に5を足して表示するプログラム」をPythonという言語を使って作る過程を通して、プログラマーの仕事の一端を感じていただければと思います。
プログラムを書く作業は、コード(ソースコード)を入力すること、実行して動作を確認すること、そして修正して再度確認することの繰り返しです。
例えば、次のような簡単なプログラムを作るとします。
「数字を入力すると、それに5を足した結果を表示する」機能です。
まずは、エディタと呼ばれる文字を編集するためのソフトを開き、以下のようなコードを入力します。
# 入力された数字に5を足して表示するプログラム
number = int(input("数字を入力してください: ")) # 数字を入力
result = number + 5 # 5を足す
print(f"結果は: {result}") # 結果を表示
このコードは次のような役割を果たします:
input
という機能でユーザーから数字を受け取る5
を足す次に、このコードを実行します。Python がインストールされたパソコンで、コマンドライン(Mac なら ターミナル)を使って実行すると、以下のような流れで動作します。
数字を入力してください: 10
結果は: 15
問題なく動けば成功ですが、実際の開発では何かしら問題が発生することが多いため、この後が重要です。
例えば、このプログラムは数字以外の文字を入力するとエラーになります。入力エラーがあった時にどのような動作をさせるのか、対策が必要になるかもしれません。
プログラムを書く過程では、書いたコードが思った通りに動かないことが頻繁にあります。これを解決する作業がデバッグです。一番基礎的なデバッグは、動作させた時の状況とコードから頭の中で不具合を探して修正する方法です。
しかし、コードの量が多い時や、複雑な処理を行う時には、頭の中で考えるだけでは限界があります。そこで、デバッガーというデバッグ専用ソフトウェアを利用して、以下のような方法でデバッグを行うことが多くなります。
ブレークポイントとは、コードの中で「ここで一旦プログラムを止めて、状況を確認する」ための目印です。
例えば、上記のコードで「result
が正しい値になっているか確認したい」と思った場合、その行にブレークポイントを設定します。実行すると、その地点でプログラムが一時停止し、データの状態を確認できます。
ステップ実行とは、プログラムを1行ずつ進めながら動作を確認する方法です。
ブレークポイントで一時停止させて、そこから一行づつ確認しながら処理を進める形です。
これにより、「どこでエラーが起きたのか」「どの部分が意図通りに動いていないのか」を調べられます。
プログラムが動いている最中に、変数にどんな値が入っているのかを確認することも重要です。例えば、number
やresult
に期待通りの値が入っているかチェックすることで、不具合の原因を特定できます。
プログラムを書く作業では、コードを書く→実行する→問題を直す→再実行するという流れを何度も繰り返します。
1つの問題を解決しても、別の問題が現れることも多く、開発者は細かな改善を続けます。
さらに、プログラムが複雑になると、コードの量も膨大になります。簡単な例では数十行ですが、商用のシステムやアプリケーションでは数千行以上になることも珍しくありません。そのため、プログラムを書く作業は、細かい確認と修正の積み重ねが求められます。
プログラマーが書いたプログラムを別のテスト担当者が確認し、不具合があればプログラマーに修正を依頼することもよくあります。プログラマーはテスト担当者から差し戻されたら、また、コードを書く→実行する→問題を直す→再実行するという流れでプログラムを修正します。
今回の例では、Pythonを使った簡単なプログラムで開発の流れをご説明しましたが、実際の開発ではさらに複雑な処理や高度な技術が必要になります。それでも、基本的な流れは変わりません。「コードを書く→動作を確認→修正する」を繰り返しながら、少しずつ理想的な形に近づけていきます。
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